【専門記述:憲法 ★解答例+レジュメ★】法人の人権

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(著作権法にかかる訴訟を躊躇しない人間が書いています)

都1B【憲法:法人の人権】(専門記述予想&解答例)

予想理由+α

(1)憲法の出題について過去10年(H22〜H31)を見ると

・人権(表現の自由)
・人権(生存権)
・統治(条例制定権)
・人権?(法の下の平等)
・人権?(私人間適用)
・統治(国政調査権)
・人権(外国人)
・統治(違憲審査制)
・人権(環境権)
・統治(二院制の意義)

となっている。
昔(私が受験した頃)から言われていることだが、統治と人権がほぼ交互に出題されており、特に統治が連続で出題された年は無い。→今年は人権

(2)法人の人権は専門択一では割と頻出論点であり、判例も違憲・合憲それぞれ存在しているため、非常に問題を作りやすい。(にも関わらず過去に出題されていない)

(3)論ずべき判例が、民主主義に大きく関わる政治献金の是非について争ったものであり、これから行政マンとなる皆様が教養として知っておくべき内容。

レジュメ

定義・内容・重要性+根拠(本テーマは明文規定が無いため)

(1)法人:自然人以外で法により権利義務の主体たる地位を認められた存在
(主として複数の自然人を統一・組織した団体を指す)

(2)憲法における人権規定は本来自然人を想定している為、法人にもその保障が及ぶかが問題となる。

(3)結論:認められる(判例・通説)

(4)理由:
①今日の人権は自由権のみならず自由権を確保するために参政権、社会権等にまで保障の範囲が拡大。
②法人は自然人と同様に納税の義務等を負うものであり、法によって人格を認められている以上、法人にもその保障が及ぶ。

(5)ただし、上記保障は性質上法人に適用可能な人権に限られる。(生存権、思想良心の自由、選挙権などは対象外)

保障の限界

(1)法人の構成員の人権を不当に侵害してはならない。

(2)保障は当該法人の設立目的の範囲内に限定される。

判例

(1)八幡製鉄政治献金事件
→当該法人の政治献金は設立目的の範囲内であり合憲

(2)南九州税理士会事件
→当該法人の特別会費(政治献金のため)は設立目的の範囲外であり、かつ構成員に脱退の自由が無い為、違憲

(3)群馬司法書士会事件
→当該法人の復興支援拠出金(会員の負担による)は設立目的の範囲内であり、かつ構成員の思想信条の自由に対する制約の程度が軽微である為、合憲

★解答する際は(1)と(2)に言及すれば十分だと思われる。

解答例

1.法人の人権享有主体性の有無

 法人とは自然人以外で法により権利義務の主体たる地位を認められた存在である。日本国憲法第3章の表題が「国民の権利及び義務」となっていることから、法人に対して人権保障が及ぶかが問題となる。

 ここで、人権保障の具体的内容について検討すると、制定当初は国家からの自由権的性質が想定されていたところ、今日においては社会の進展に伴って当該自由権を担保する為の参政権、社会権等にまで人権の保障が及ぶものと解されるようになっている。

 こういった状況下において、法人については自然人たる国民と同様に納税等の義務を負うものであって、法によって人格が認められており、今日においては社会的実体として社会の重要な構成要素であるから、上記人権の保障は、生存権のように自然人であることを前提とするものを除き、性質上可能な限り法人にも及ぶものと解すべきである。

2.保障の限界

 一方で法人とは、各々が人権享有主体性を有する自然人の集合であることから、その構成員たる自然人の人権を不当に侵害することは許されず、また、当該法人の設立目的外の行為については人権保障の範囲外であると解する。

3.人権保障の制約にかかる具体例

 八幡製鉄政治献金事件においては、法人は定款に定められた目的の範囲内において権利能力を有するとしつつ、その範囲を広範に捉えた上で法人の参政権を認め、その具体的行動である政党への政治献金について有効とした。

 一方で、南九州税理士会事件においては、当該団体が強制加入の団体であり税理士に脱退の自由が認められていないこと等を理由に、会社とは性質の異なる法人であるとした上で、その政治献金について、設立目的の範囲外であり無効とした。

 また、群馬司法書士会事件においては、当該団体が強制加入の団体であるとしつつも、被災した他の司法書士会への寄付行為は設立目的の範囲内であるとし、また、構成員の思想信条の自由に対する制約も軽微なものであることから、寄付行為を有効とした。

以上

(830字)

★解答用紙はおそらく25行で横線のみ。上記のように1、2、3とタイトルを書く方式だと800字はかなり厳しい。実際に答案を手書きし、書きづらさを感じるようならマーカー箇所を削ると良い感じに(多分)。

補足

(1)政治献金って良いの?
・「政治資金規制法」に規定
・政治家個人への献金は原則禁止
・政治団体(後援会など)を通じた献金は「日本国籍をもつ個人献金のみ可」、「年間150万円まで」
・政党(本部および支部)への献金なら企業献金も可
→A政治家が支部長を務める政党支部への献金って実質的には、、、(闇

(2)会社目線:見返りを求めれば賄賂であり、見返りを求めなければ背任行為?

(3)「権利能力なき社団」も人権の享有主体として認められる。

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参考文献

https://www.foresight.jp/pdf/sample/text/koumuin-saiban4.pdf

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八幡製鉄政治献金事件 上告審
南九州税理士会事件 上告審

https://ja.wikipedia.org/wiki/政治献金

http://www.comp-c.co.jp/pdf/101027report.pdf

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