「『通信の秘密』について論ぜよ。」論点まとめ(レジュメ)【東京都1類B専門記述】

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(著作権法にかかる訴訟を躊躇しない人間が書いています)

出題例

憲法第22条第2項後段で規定される「通信の秘密」について、前段に規定される「検閲の禁止」にも言及しつつ論ぜよ。

憲法第22条第2
検閲は、これをしてはならない。通信の秘密は、これを侵してはならない。

前提講義・プチノウハウ

憲法:国家と国民との間における規定(時には私人間適用も有)

論点

(0)意義

・国家による思想・情報統制を禁止→民主主義の前提たる国民の表現活動を保護

 ★検閲の禁止と同様の意義を持つ。

(1)(前提として)国家に要請されるもの

インターネットが広く普及し、電気・水道等の従来のインフラと同等あるいはそれ以上の役割を担っている現代において、誰もが安心・安全に利用できる通信制度の設営を要請するものであると解される。

(上級)電気通信事業法4条1項、郵便法8条1項

(2)通信管理主体(docomo, auなど)に適用されるか。

⇨国家と私人と同様に社会的格差(情報の非対称性、アクセス権限)が存在するため、適用されると解するのが妥当である。

(3)第3者(ハッカーなど)に適用されるか。

⇨私的自治の原則が妥当し得るものであり、憲法上必ずしも適用されるものではないと解する。ただし、立法政策上において法規律を設けることは否定されない。

4)保護すべき秘密をどう捉えるか

通信内容or通信方法・システム⇨両者は一体不可分であり、双方が含まれる。

当事者が秘密にする意思を有するもののみが保護対象となるか?

当該情報のみを抽出することが困難であり、また、インターネット上の情報 に関して言えば、通信データ全体が一体となって伝送すべき情報が形成されており、保護されるべき客体は客観的・包括的にならざるを得ない。

(上級)米国判例「キャッツ事件」において保護法益は「プライバシーの合理的な期待」とされた。

(上級)第日本帝国憲法26条「信書ノ秘密」における「信書」の概念は広く電信・電話をも包括するものとして理解されてきた歴史的背景がある。

(上級)プライバシー権との関係

(5)警察による逆探知・傍受が許されるのか

通信の秘密についても絶対無制限のものでは無く「憲法第12条・13条」に規定される公共の福祉による制約を受けるものと解される。

必要最小限度に限定して傍受することは憲法に違反しない。

  検閲の絶対的禁止とは異なる

 

参考文献

「個人情報・プライバシー・通信の秘密 ー憲法から見た」 宍戸常寿
https://www.dekyo.or.jp/kenkyukai/data/8th/190217_doc01.pdf
★「憲法上の通信の「秘密」の意義とその射程」 海野敦史
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jsicr/32/2/32_37/_pdf
「通信の秘密とは?保護対象や違反した場合の罰則、注意点について徹底解説」 hiro_0202aq
https://cybersecurity-jp.com/laws/30003
「「通信の秘密」の数奇な運命(要旨)」 通信の秘密研究会、高橋郁夫
https://www.soumu.go.jp/main_sosiki/joho_tsusin/policyreports/chousa/next_generation/pdf/080523_2_si8-7.pdf

公務員試験マッハ講座

上記論点については以下の動画にて詳細に解説しています。

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