【国家一般職・令和4年度・No.25】実例から学ぶ資料解釈のキホン その1【行政・大卒区分】

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【国家一般職・令和4年度・No.25】実例から学ぶ資料解釈のキホン その1【行政・大卒区分】

令和4年度・国家一般職(大卒・行政区分)No.25の問題です。
この年に3問出題された資料解釈の問題の中では、最もオーソドックスなスタイルの問題だと思われます。

今回は、本問題を実例として資料解釈における解法テクニックの基本をお伝えしたいと思います。

まず最初に問題文のどこに注目すべきか

資料解釈の問題では、ほぼ確実に図表が与えられますが、複数あるうちのどのパターンの図表かを確認します。

今回の問題では『表の形式』は非常にオーソドックスですので、『単位』や『数字の意味』をあらかじめ頭に入れておきます。4月〜3月の1年間の『果実卸売数量』および『果実卸売価格』が記載されていますが、『果実卸売数量』については3ヶ月ごとの合算値、『果実卸売価格』については1kg単価で記載されています。

『卸売数量』については、「3ヶ月の平均値」や「前年度から見た指数」で記載されていることもありますので、注意が必要です。

選択肢を一通り確認する

選択肢については『どの程度の計算量が必要か?』をイメージしながら、必ず最初に全て読んでおきましょう。全ての選択肢に目を通しておくことで結果的に全体の計算量を減らせる場合が多いです。

今回の問題ではありませんが、選択肢同士に関連があり一度計算した数値を再度使用できる場合も多いです。各肢について問われている内容を確認した上で、そういった数値については分かりやすく書いておくように心がけましょう。
今回の問題では上図のように、選択肢1・2<3・5<4の順に計算量が多くなりそうです。

選択肢1の検討

『卸売数量』の最小・最大が連続している品目は『卸売価格』も同様に最小・最大が連続していると言っています。
『みかん』については『卸売数量』が連続していませんが、『りんご』については『卸売数量』が夏季と秋季で連続しています。
しかし、『りんご』の『卸売価格』は最大は春季、最小は秋季となっており、連続していないため選択肢1は誤りとなります。
選択肢1の文章より、どこか1つの品目で条件を満たさなければ肢を切れるということを確認しておきましょう。

選択肢2の検討

各期の『卸売価格』について上位3位に入ったことがある品目が4つだと言っています。1位〜3位の順位そのものには意味がありませんので、それぞれの期について上位3つに順不同でチェックを付けて確認してみます。

確認の結果上図のように、上位3位に入ったことのある品目は『みかん・日本なし・ぶどう・いちご・すいか』の5品目ですので、選択肢2は誤りです。

選択肢3の検討 その1

選択肢3は、肢1・2に比べて少しだけ計算が必要になってきます。『りんご』の『卸売数量』が全ての期について全体の3割以上だと言っていますので、誤っていそうな期から検討するようにしましょう。
夏季については、『りんご』の『卸売数量』が4期中最も少なく、その他の品目については他の期よりも多い果実が目立ちます。

選択肢3の検討 その2

実際に夏季の『りんご』以外の『卸売数量』について合算(概算)してみると、約19万トンとなることが分かります。『りんご』については約4万トンであり、明らかに全体の3割に満たないため、選択肢3は誤りとなります。
私の場合には、まず最初に『7÷3≒2.3』という計算をしてから、『りんご』とそれ以外の『卸売数量』を比較しています。
こうすることで、割り算を介さずに『卸売数量』の比較によって『全体の3割以上』かどうかを検討することができるようになります。

選択肢4の検討

選択肢4については、全ての品目について掛け算による比較が必要となっており、かなりの計算量が必要になることから後回しにします。

選択肢5の検討

選択肢5についても計算量は比較的多いですが、足し算のみであり選択肢4よりは検討しやすそうですので、実際に『卸売数量』を合算してみます。
概算で計算した結果、春季は約15万トン、夏季は約23万トン、冬季は21万トンであり、夏季・冬季は20万トンを超えています。さらに、秋季については『みかん』の卸売数量のみで20万トンを超えていることから、全体として『3期』で『卸売数量が20万トン』を超えているため、誤りとなります。

正解肢の検討

これまでの検討の結果、『肢1・2・3・5』が誤りだと分かりましたので、正解肢は4となります。
『資料解釈』の科目では、計算量の多い肢が1、2個含まれているケースが多いため、計算量の少ない選択肢から検討していって『肢を切る』ことによって正解肢を導き出すのが基本戦略となります。
今回の問題でも『選択肢4』は実際に計算して確認していませんが、その他の選択肢が明らかに誤りであることが確認できましたので、確認のための計算をする必要はありません
教養択一は時間との勝負になりますので、なるべく余計な計算は省略するように心がけましょう。

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