【専門択一】政治学 その9(13条、参政権、経済的自由権、国会、司法権)【国家一般職・令和2年度】

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【専門択一】政治学 その9【国家一般職・平成30年度】

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国家と権力

選択肢1:
マキャベリは、君主は国家統一のために時には誠実ではない振る舞いを行い、反道徳的な政策を行うことも必要であると主張した。また、国民軍創設のためにフィレンツェにおいて徴兵制を導入すべきだと主張した。

選択肢2:正解

選択肢3:
マルクスは、資本主義が進むと必然的に恐慌が発生し、資本主義は破綻に向かうと述べ。また、これに対し労働者は団結して革命を引き起こすべきだと主張した。

選択肢4:
ベンサムは、囚人に対して自己規律を働かせるように仕向けるべくパノプティコン(一望監視装置)を考案した。
また、フーコーは、近代以降の社会では規律的権力が作用しており、人々は無自覚に自己規律を働かせるように仕向けられていると指摘した。

選択肢5:
辻清明は、戦前の日本の官僚制は、第二次世界大戦後にもその特徴が引き継がれているとし、特権的官僚制の改革こそが民主化の最大の課題であると述べた。

政治体制

選択肢1:正解

選択肢2:
リンスは、権威主義体制というタイプの特徴として限定的多元主義、政治参加や動員の低さ、漠然としたメンタリティによる支配などを述べた。対して、全体主義体制の特徴としては公式のイデオロギーによる積極的な大衆動員などが挙げられる。
前者の典型例として、フランコ統治下のスペイン。後者の典型例としてはスターリン統治下のソビエト連邦などがある。

選択肢3:
ハンティントンは歴史上「民主化の波」が3度おとずれたと述べ、19世紀初頭から20世紀初頭に世界の大半の国で起こった民主化、1943年から1962年に西ドイツ、イタリア、日本、トルコ、中南米全域で起こった民主化、1974年以降に南欧、中南米、アジア、東欧で起こった民主化を挙げた。

選択肢4:
リプセットは、政治体制と社会・経済的データの関係について統計的分析を行い、「経済的に豊かな国ほど民主主義体制をとることが多い」とする知見を得た。

選択肢5:
オドンネルとシュミッターは、社会経済構造の差異から各国の民主化過程を説明しようとする従来の議論を批判し、国内アクターの選択に注目する「アクター中心アプローチ」を主張した。

文化多様性

選択肢1:
ロックは、異なる信仰や価値観を持つ者どうしが、一つの社会において互いの内面の自由を尊重し合う寛容の精神を持ち、共存することは可能であると考えた。ロックは、魂の救済たる宗教と世俗的利益にかかる政治とは区別されるべきとし、宗教的寛容論を提唱した。

選択肢2:
レイプハルトは、オランダやベルギーといったヨーロッパの小国において、宗教的・言語的に多元的な下位文化が存在しているものの、それらを代表する勢力間において合意形成がなされており、政治的対立を回避していると指摘した。

選択肢3:
サイードは著書『オリエンタリズム』において、文化的・人種的な優越性に基づく東洋的な視点で西洋を見ることを批判した。また、C.レヴィ=ストロースは、親族や神話のシステムにおける構造を研究し、そこに理性的な思考体系が存在することを見出した。

選択肢4:
ハンティントンは「文明の衝突」論を提唱し、ポスト冷戦の世界における対立は、国民国家を単位としてイデオロギーや経済を巡って起きるのではなく、諸文明間で文化的な問題を巡って起きる。と述べた。

選択肢5:正解

政党関係

選択肢1:
サルトーリは1970年代に、政党の数と政党間のイデオロギー距離を主な基準として、政党システムの分類を行なった。その類型の一つに「穏健な多党制」が挙げられ、イデオロギー距離の小さな3〜5の政党が選挙で競争し、政権交代を引き起こしている状態と定義した。
一方で、複数の政党が存在しているものの、結果的に特定の1政党が選挙に勝利し続けている状態を「一党優位政党制」と呼んだ。

選択肢2:
リプセットとロッカンは国際比較研究によって、1920年代までに形成された社会的亀裂構造に欧州諸国の政党システムが強く影響を受けていることを示した。これを「凍結仮説」という。一方でO.キルヒハイマーは、現代の有権者の行動について説明した上で「凍結仮説」と対立する「解凍仮説」を唱えた。

選択肢3:正解

選択肢4:
W.ライカーが述べた「最小勝利連合」とは、一党でも離脱すれば議席が過半数を下回ってしまう連合政権のことであり、各政党は政策の実現には必ずしも固執しておらず、政権の獲得を第一目的としていると指摘した。
また、「要(かなめ)政党」とは、自らの離脱・参加によって勝利連合を左右することのできる政党を指す。

選択肢5:
カッツとメアは、国家からの助成金等によって有利な状況に置かれた既成政党を「カルテル政党」と呼んだ。彼らは1990年代以降、既成政党がカルテル政党化することによって、新規政党の議席獲得を阻んでいると主張した。

投票行動

選択肢1:
ラザースフェルドらは、有権者の社会的属性によって政治意識・投票行動が変化するとする「社会学モデル」を提唱した。このモデルにおいては、社会経済的地位が高く、プロテスタント系の有権者は「共和党」に投票する割合が高いとされた。

選択肢2:
投票行動モデルの一つである「ミシガン・モデル」において、投票行動は、「政党帰属意識」、「争点態度」、「候補者イメージ」という3つの心理学的ファクターで説明される。このうち、「政党帰属意識」が最も投票行動に影響を与えるとし、さらに、長期にわたって安定的であるとミシガン学派は主張した。

選択肢3:正解

選択肢4:
ダウンズは、著書である「民主主義の経済理論」において、「合理的選択モデル」を用いて政治現象を説明した。これは、従来の経験的・帰納的アプローチと根本的に異なる理論であった。

選択肢5:
容姿や人柄など、候補者イメージを重視した投票を「候補者投票」という。一方で候補者個人が地元にもたらした利益を重視した投票を「個人投票」といい、日本の55年体制において広く見られたとされる。

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令和4年7月25日公開

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