文章理解の学習方法まとめ その1 〜実際の総合職問題を実例に〜

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文章理解の学習方法まとめ その1

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公務員試験で出題される文章理解、「勉強方法が分からない!」、「いつまでたっても間違えてばかり!」、「もう捨て問にしちゃおう!」、というように考えている方はいませんか?

文章理解は確かに、学習の効果が実感できないという側面も一部ありますが、どの試験種でも4〜5問は確実に出題される科目であり、「完全に捨て問にする」あるいは「俺はセンスで解く!」といった考え方は非常に危険です。

文章理解についてもその他の暗記系科目と同じように、しっかりとした反復練習によって着実に得点を伸ばしていくことが可能です。しかしながら、闇雲にたくさんの問題を解くよりも「まずポイントを押さえた上で」勉強を開始することで、学習効果を大幅に上げることができます。

この記事では、国家総合職上位合格者の筆者が、文章理解を学習する上での注意点を、実際の問題(総合職2019年度)を例に挙げながら解説していきます。

文章理解:国家総合職2019年度の問題

文章理解学習のポイントまとめ

上記した問題を解くにあたってのポイントをまとめると、

(1)選択肢に先に目を通す。
・拾い読みの形で、キーワードを見ておくだけで理解しなくても良い。
・接続詞など、文章の前後関係が分かるワードにチェックをつけておく。

(2)60%程度の問題では、選択肢の並び順と文章の流れが一致している。
・文章を読みながら(1)で目を通した内容が出てきた時点で、あらためて選択肢を読んでみる。

この時点でも完璧に正誤を検討する必要は無い。2度読みすることで、自分の中の違和感や納得感を印象付けておく。

(3)最終的には選択肢を切って正解を導き出すのが基本戦略。
・文章理解で自信を持って正解と言い切れる肢が出ることは稀である。

(4)学習途中の段階で正解・不正解に一喜一憂しない。
・文章理解や英文読解を含む一部の科目では、正解することよりも「正解の期待値」を上げることが重要となってくる。例えば3つの選択肢を切ることができればその問題の期待値は0.5となり、その積み上げによってボーダーを超えることを目指す。

実際に問題を解いてみよう1(選択肢の読み方)

まず、上記の選択肢に目を通すわけだが、時間にするとせいぜい10秒程度で十分である。以下のような点をうっすら頭に入れておけば良い。

選択肢1:教育の重要性の歴史的な背景を言ってるなぁ、、、
選択肢2:なんか難しいこと言ってるけど「社会集団」、「生産性」、「教育内容の分化」みたいなワードが出てきた、、、
選択肢3:「進学需要」と「学歴」の関係性について言ってる。後段はよく分からん。
選択肢4:一律普遍的な教育→効率的な教育にならない→社会的意義✖️
選択肢5:「歴史的」、「適正配置」、「実践」、「コストの正当化」

実際に問題を解いてみよう2(文章の読み方)

「短時間で目を通すことを何度も繰り返す」ことによって、選択肢との対応関係を検討していくことを心がける。また、読み進める途中で選択肢と関わりのありそうな記述・キーワードが出てきた場合には、その場で選択肢の検討に移る。最後まで読まないと結論を出すことはできないが、読解途中でも記憶が鮮明なうちに選択肢に立ち返ることで、その選択肢の正誤について自分なりの印象を持っておく

第一段落では歴史的背景が述べられていることが一見して分かる。選択肢として関連がありそうなのは1と5である。「理想論」や「ロジック」といったキーワードの前後の文章より、「肢1は間違いっぽいぞ」という印象が持てれば良い。

第二段落では「労働市場」や「集団間で駆け引きが行われる」といったキーワードが出てくる。肢2と同様のことを述べている雰囲気を感じとっておく。

第三段落で注目すべきは「ニーズに応じて高学歴の枠は拡大される」というフレーズである。肢3で言っている「学歴の高低が生じる」という文脈とは異なる。

第四・五段落では筆者の結論とそれにつながる文章が記載されている。注目すべきキーワードは2行目「教育内容の分化」、4行目「効率性や生産性が強調」、5行目「普遍的な教育内容」、6行目「学歴の高低」、7行目「正当化」・「適正配置」などである。

肢4で述べている「普遍的な教育」に言及しているが、「社会的意義が乏しい」と断言するには至っておらず、肢2との比較で「最も妥当な内容」を述べているのは肢2だといえる。

とはいえ、本試験当日に肢4をばっちり切れる受験生は少ないと思われる。それでも、文章理解の学習をある程度行っておくことで、かなり短時間で2択にまで絞り込むことはできるようになる。前半で述べたように、それこそが文章理解を学習する意義である。

また、肢5は歴史的背景を述べているのに対して、ほぼ対応する内容を筆者の結論として述べているため、肢5は誤りだと分かる。

文章理解の解き方・勉強方法総論

前段で、可能な限り当日の思考プロセスに近い形で問題の解き方を解説したが、いかがだっただろうか。記載のとおり、ほとんどの選択肢について「完璧な自信は無いけど間違い(or正解)っぽい」というレベルまでしか読み解く余裕が無いと思われる。

とはいえ、本試験当日になってしまえばもはや「時間をかければ精度が上がる」状態では無くなってしまうのが文章理解という科目の特性であるため、1問あたりの制限時間を決めて正解にチェックを付けたら、あとは見直しなどをする必要は無い。

本試験当日までの勉強方法としては、ここまでの内容を頭に入れ、試験当日に自分がどのように問題を解くのかをイメージしつつ、「拾い読みの技術」や、「文章構成」・「理由と原因の書き方」を短時間で読解できるスキルを身につけることに主眼を置く。

詰め込みが通用しない科目であるため、ある程度の期間をとって1日1問のペースで着実に力を付けていって欲しい。

YouTube講義(文章理解 その1)

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