専門記述試験のレジュメはどうやって入手する?

前回(その2)は、専門記述試験の学習方法について概略を御説明しました。
ざっくりとおさらいすると、
(1)専門記述はレジュメの暗記
(2)用意する論点(暗記レジュメ)は、都1Bの場合100題程度
※入手方法は後述
(3)模範解答は暗記せず、論理的文章の書き方を習得する
ということです。
専門記述レジュメの暗記は広く浅く
前述のとおり、専門記述試験で問われる知識は択一試験とほぼ同範囲です。ですから、『100題も記述式の解答を暗記するなんて無理!!』と考える必要はありません。択一試験の勉強を既に始めている方であれば、学んだ範囲のテーマについては十分に解答可能な状態にあります。
とはいえ、いきなり以下のような問題を投げられて、採点官に好印象を与える文章を書ける方は少ないでしょう。
そこで、どうするか?
「論理的文章とは〜〜うんたら」というような講義を何時間も受けたところで書けるようにはなりません。
専門記述の学習方法は一つのことを繰り返すだけ
学習方法はズバり、模範解答を「読んで→書き写す」。ただこれだけです。
論理的文章とは何かを頭で理解する必要はありません。あなたはただ「合格レベルの答案」が書ければ良いのです。
そのためには、インプット→アウトプットを繰り返して身体に馴染ませることが最速の道となります。
重要な点は、実際に手を動かしてアウトプットすることであり、これを繰り返すだけで自然と同じような文章が書けるようになります。
これは、皆さんが日常生活のあらゆることで経験している学習方法であり、先進国の大学では常識と言われるほどに実証されている最速の学習方法です。
(野球の投球練習や、サッカーのシュート練習と同じです)
騙されたと思ってやってみていただければ幸いです。
論理的文章が書けるようになったら(書けるテーマをどう増やすか)
上記の方法を実践して下さった方は、論理的文章『講座』のようなものを予備校で受講する必要がないことが実感できたかと思います。(1ヶ月、1日1時間程度続けてみてください)
しかしながら、上記した方法は冒頭(3)論理的文章の書き方を習得するために行うものであり、書き写す模範解答を暗記するまで行う必要はありません。
(むしろ、何種類かの模範解答で実践する方が効果的です。)
ある程度文章の『型』に馴染んだと感じた時点で、自分が書ける論点を増やす作業に移りましょう。
あとはレジュメを入手するだけ
某予備校では受験生に、習得済みの択一知識や過去の出題テーマなどからレジュメを自作させることが効果的な学習に繋がると指導しているようです。
確かに、レジュメを自作するためには、択一試験用の断片的な知識を体系立てて整理する必要がありますので、学習効果は高いかもしれません。しかし、あまりにも非効率的であり膨大な時間がかかってしまいます。
皆様の目的は学者になることではありませんので、専門記述のレジュメは手っ取り早く予備校などから入手してしまいましょう。
私が調べた限りでは以下の予備校で専門記述の単科講座(←ここ重要)を開講しているようです。
筆者が資料請求した印象としては以下のとおりです(あくまで個人的見解です)。
・業界最大手
・値段は12,000円(教養記述とセットなら15,000円)
・教材の質・量ともに充実しており。コスパ○。
・業界最大手
・資料を見る限りでは「東京都1類B法律セット」「東京都1類B政治セット」といった形での販売であり、それぞれ10万前後。おそらく専願受験生向けとして択一知識から習得できるものと思われる。
・一部受験生にとっては、教材の範囲・量が過大な可能性あり。
・ただし都庁専願でこれから学習を開始する受験生にとっては最適な選択肢となる可能性も有り。
STADYing(2022年現在、単科受講は不可?)
・択一試験含むフルパッケージでは業界最安値水準。
・調べた限りでは専門記述の単科受講は不可。
・場所を選ばずに通信で受講できることを売りにしており、教室をほとんど持たないことから安さを実現している模様。
・一見した限りでは、択一用の教材の出来は普通であり、値段を考えるとコスパ最強かも。
・通信のみであり、スケジュール管理能力が求められる。自己責任で。
・業界大手、フルオンラインの予備校
・法律系(憲法・民法・行政法)、経済系(経済学・財政学・会計学)、政治系(政治学・行政学・社会学)の3つに分かれており、2022年度はそれぞれ税込16,500円。(経営学は無し?)
・コスパ良しだと思われるが、講師がよく変わるため講義の質は不明。
・受講を検討する際は、その年度のサンプルテキスト確認必須。
公務員試験予備校 EYE
(2022年現在、専門記述のみの受講は不可?)
・最近では少なくなった個別指導予備校
・WEBサイトや資料を見る限り、専門記述のみの受講は不可となったものと思われる(2022年時点)
・ただし、2コマ・6コマ・10コマの個別指導の申し込みが可能であり、値段も2〜7万程度。
※1コマ45分であり、教材は受験生が持参
・専門記述試験の対策を希望する旨を事前に伝えておけば、個別指導の中で情報収集することも可能かもしれない(要交渉力)。
伊藤塾(2022年現在、専門記述のみの単科講座があるか不明)
・法科大学院や司法試験予備試験の対策講座もやっている予備校。法律系に強み。
・かつては憲法・民法・行政法の法律系3科目のみ専門記述の単科受講が可能であり、講義の質はピカイチであったが、2022年現在WEB上では確認できず。
・法律系科目の信頼性は高いため、受講相談してみるのも有り。
その他
・憲法・経済学等、一部の科目については大手出版社から専門記述対策本が出版されている。
(Amazon等で検索してみると良い)
・あまり名前を聞いたことが無い会社が「予想論点パック」等の名目で販売している教材については、一部劣悪な教材も含まれるため注意。(できれば避けた方が良い)
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